ORIGIN - 原点 -

 
HEROINEは、バリ島のお婆ちゃん(ネネ)の一言から産まれました。
初めてバリを訪れてから、もうすでに20年を越えました。
まるで磁力のように引き戻され、通っている内に、 現地の方々とのご縁も深くなっていました。
特に、私のバリの母である 「イブシンドゥ(通称ネネ)」との縁は、 神様に導かれたと思っています。
かつて、ネネの家族が管理していたサヌールの海前の 小さなヴィラに、私はいつも滞在していました。
渡バリギリギリまで日本で仕事をこなし、 バリに着いた途端に体調を崩したことも…。
そんな時も、ネネは毎日おかゆを作って 「これを食べて元気になってね」と運んでくれました。
ネネはローカル食堂を経営していましたので、 その店の閉店時間を待って 、私はスタッフやネネの孫達に 「サンバ」「サルサ」などを教えていました。
帰国が近くなったある夜、ネネが私に言いました。
「ヒロミはここでダンスの教室を開けばよい。 そうすればずっとここに居られる」
とっても愛情溢れる一言でした。
「私の日本での仕事は、ダンスのウエアを作ることなの」 と答えると、ネネはキッパリ言いました。

「それならここでやりなさい!」

この言葉に背中を押されて HEROINEはサヌールの地に誕生しました。
1年後のことでした。
ネネは近隣のローカルの方々に申します。
「ほらね、ヒロミはただ遊びに来ている子達とは違うでしょ?」 誇らしそうなネネの顔を見たら、 開店までの気の遠くなるような難題の連続も忘れました。
「毎日店がうまく行くように神様に祈っている」
バリの母であるネネは私の力の原動力です。   
こうしてHEROINEは誕生したのです。

イブシンドゥ(通称ネネ)
nene



CHAPTER 2 - 第二章 -

 
「アパートを作るか?」

サヌールのショップの地代高騰を懸念しつつ、10年契約が切れたらどうする?という話し合いをHEROINE内部でしていたのだけれど、移転すら難しい今の高いリース料金…。クタのマネージャー宅兼、HEROINEオフィスの周りは、あれよあれよという間に開発されていき、隣にはファイブスターホテルまで建ちました。
便利な場所だから、ホームステイ付きのお店にしたら良いのでは?素人考えで、表通りがショッピング通りになるかも?と期待しつつ…。建築費は、年々価格が高騰しているバリ…。
「やっちゃおうか?」…。高くなった家賃を10年分払ったつもりで!
あぁ、やってしまった…、もう戻れない…、青春の(いつのだ?)汗と涙の貯金をはたいて、着工したのは2015年12月のことでした。

「バリが嫌いになる瞬間はこれだよ!」

建築イメージを、写真で、スケッチで、図面で建築家に説明。さらに色もカラーカードを貼って、わかり易くしました。
2016年1月、マンゴーの木を切りスタートした建築工事。3月には、1階から2階と順調に進んでいたので「早〜い!この調子だと9月には完成しそうだね。」と喜んでいた私が6月にバリに入ると、あれ?進んでない?…。なぜ職人が少なくなってるの?なぜ?なぜ?と問うと「病欠が出ている、雨が多いからしかたがない…」との返答。
イブコマンは、毎日仕事をチェックしているけれど、それでも私の目は厳しく、間違いを見つけては、やり直しの繰り返し。こんな時、バリが嫌いになります…。
やり直すくらいならさぁ、ちゃんと確認しようよ!…これが延々と続くのです…。
そして9月、「完成〜♪」ではなく事件が起きました!建築家、日本で言うところの親方が突然蒸発してしまいました。家にも帰らず、行方不明…トンズラというヤツですよ…。身元もわかっており、たくさんホテルやヴィラも造っている親方です。親方の妻子、両親は自殺ではないかと騒ぎまくているけれど、途中で止まってしまった建築工事を前に困り果てる私たち…。警察沙汰にもなりましたが、1週間ほどすると、親方は泣きながら家に戻ってきました。
私たちは、すでに支払い契約を交わしています。弁護士とともに親方、ご両親と話し合いをすることになりました。弁護士は、静かに「息子さんは、契約違反をしています。警察に引き渡して刑務所に入るのか、途中の建築を他の業者に頼む分を支払うか考えてください。」と伝えました。両親は、息子を前科者にしたくない訳で…、建築を続行することになりました。
2017年6月、ノイローゼになりそうだった私とイブコマンの悩みに終止符が打たれ、ようやくアパートが完成しました。大好きなバリだけど、いい加減で嫌いな部分もあるのです。
クタのマネージャー、イブコマン
koman


 
「ヒロインアパートメント」

三階建て、7室ワンルーム。JLサンセットロードとJLラヤクタの間、とても便利な場所にありながら、静かで過ごしやすいのです。近くには、シロアンホスピタル、カルフール、日本食材スーパーのパパイヤなどのほか、ローカルワルンやレストランまでが徒歩圏内にたくさんありますので、飲食に困ることはほぼありません。
同じ敷地内には、日本語、英語が堪能は管理人家族が住んでいるため、体調不良や様々な問題の対処の相談なども簡単です。安全、安心をお約束いたします。
価格もこの立地ではあり得ない設定にました。
「1ヶ月 3,5JUTA  1年 11ヶ月分」 いかがでしょうか?
ヒロインアパートメントのご相談は、HEROINEへのメール連絡か、イブコマンへの電話もOKです。イブコマンの連絡先は081999761818です。

「ショップ移転断念」

アパートメントもショップも出来、オープニングセレモニーも完了。サヌールの賃貸契約を約半年を残すところで、「ショップ…、ここでやるの辞めようかな…」。
なぜだか気持ちが上がらなくなってしまいました…。とても可愛くできたのに…。
そんな私に違う形を提案してくれたのは、現地の不動産屋さんです。カルチャーセンターとして開放し、人達が集う場所としてみては?と…。大人が学び、集う場所…。
「同じ趣味の方々とも出会えるステキな場所になるんじゃない?」
切り替えが早いのが私の取柄の一つです。9月にはショップの閉店セールを開始しました。2017年12月14日の契約終了までに在庫を減らしたかったのです。
そう動きだしたところ、アグン山がプスプス噴火を始めてしまいました。
10月からは閉店セールどころか、バリ島にお客様が減り、11月には空港閉鎖もありました。
12月、なんとか飛行機は無事に飛び、私はサヌールのショップの片付けをスタッフと一緒にすることができました。
観光客は、噴火よりも帰国できなくなるのが怖いでしょうし、バリはこれからが大変です。
でも、バリを元気に!
バリとのご縁を恩返しをしていきたいと思いますので、これからも皆様応援よろしくお願いいたします。